nutrient

栄養素【nutrient】とは、 生物が生命を維持するために栄養(食物)として外界から取り入れる物質のことです。

化学的には有機物質と無機物質の2種類に分類されます。有機化合物には炭素、水素、窒素、時にはその他の元素が含まれます。炭水化物,タンパク質,脂肪などエネルギー源や体構成物の材料となる物質などです。無機化合物である栄養素 もたくさんあり、その多くはカルシウム、 マグネシウム、亜鉛などのミネラルです。

このうち炭水化物,タンパク質,脂肪はもっとも多量に要求される高分子で,三大栄養素と呼ばれています。これらの物質1gが酸化分解されることによって炭水化物は4.2kcal,タンパク質は4.3kcal,脂質は9.4kcalのエネルギーを生じます。(世界大百科事典 第2版の解説より)

 

これらの栄養素は食品から摂取しなければなりません。しかし、食品に含まれている栄養素を全て体内に取り込むことは不可能です。最初は自然な状態の食品(生の状態)でも、加工されるにつれ、そこに含まれる微量栄養素は どんどん除去されていきます。

例えば全粒小麦は胚乳(タンパク質とデンプン)、 胚芽(タンパク質とビタミン)、表皮( 繊維質)の3つの部分から成っています。これが精白小麦粉に加工される過程で胚芽と表皮が取り除かれてしまい、胚乳だけになります。元々の食品に含まれている栄養源の2つが除去されてしまいます。

さらに、食パンやシリアルなど、精白小麦粉で作った食品の多くは、 重要な栄養素が入っていない上に、砂糖 や油脂、人工調味料や人工着色料、保存料といった健康に悪いものも加えられています。

健康のために最も良いことは 新鮮な天然食材を取り入れた食生活を継続することです。新鮮な果物や野菜を中心にした食生活がベストですが、肉類も、なるべく加工されていない状態のほうが加工されたものより多くの栄養素を含んでいます。

例えば、広い牧草地で草を食べて有機飼育された牛の新鮮な肉と、トウモロコシや化学飼料を与えて、狭い場所で運動もせずに育てた牛の肉、当然お値段にも大きな差がでてきますが、どちらがよい栄養素を多く含んでいるか想像つくと思います。

 

現在までに発見された栄養素は、何千種類もあります。カルシウム、 葉酸、鉄、ビオチン、銅、ナイアシン、マグネシウム、ビタミン A、ビタミンDなどは代表的な栄養素のほんの一部です。栄養学 はまだ新しい分野である ため、まだ存在を知られていない栄養素、特に微量栄養素は数限りなくあ でしょう。だからこそ 食生活に多種多様な天然 食材を取り入れることが 大切なのです。

多くの栄 養素が体内で相互に助け合って働き、ほとんどの場合、異なる種類の栄養素と一緒に摂取 することで最も高い効果を得られることが研究で分かっています。 発見されていない栄養素がまだあるとすれば、それが他の栄養素 に対してどれほど重要な効果をもたらすかは計り知れません。 2種類の栄養素が一緒に働く場合、2種類ずつ働いた場合の2倍 以上の効果が得られます。

例えば、カルシウムとビタミンDはどちらも骨によい栄養素ですが、この2つが連携するとより大きな 効果を発揮します。そこにマグネシウムが加わると、さらなる相乗効果が得られます。

相乗効果とは、1+1が2ではなく、6やそれ以上の数になることだと言うと分かりやすいでしょう。多くの抗酸化質に関しては1+1が20にもなり得るのです。 抗酸化物質の相乗効果はこれまでの栄養素に関する発見の中でも 最も重要なもののひとつです。

 

ビタミンC、カロテノイド、ビタミンE群(8種)、α‑リポ酸、OPCといった抗酸化物質は単独でもそれぞれ重要な働きをしています。 しかし複数の抗酸化物質が同時に働くとフリーラジカルの攻撃に対して何倍もの効果を発揮するのです。 年齢を重ねるにつれ、フリーラジカルが体内に蓄積されがちになるので健康を維持するために、こうした相乗効果をうまく利用することがさらに重要になってきます。

フリーラジカルは酸化ストレスと呼ばれる破壊的な連鎖反応を引き起こすことが分かっています。通常、抗酸化物質1 個で中和できるフリーラ ジカルは1個です。しかし、複数の抗酸化物質が お互いに補完し合って働けば、フリーラジカルをほぼ永久的に中和し続けることができます。これは抗酸化ネットワークと呼ばれ、酸化ストレスのダメージが大きくなる前に身体を守ってくれます。

自然のままの果物や野菜には身体が正常に機能するために必要な主要栄養素や微量栄養素、植物性栄養素やその他の化合物が豊富に含まれているため、これらを中心とした食事は栄養も充分含まれています。 食品の中の栄養素は身体の機能の全てに利用されます。傷を治し たり、筋肉を増強したり、血液を循環させたり、歩いたり、食べ 物を消化したりと、栄養素はありとあらゆる身体の機能に直接関わっているのです。